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コメルツバンク、BaFinにWirecard破綻半年前に警告

 コメルツバンクは、2020年初頭にドイツの金融監視機関BaFinに対し、Wirecardのマネーロンダリングリスクについて警告を発していたという。英紙フィナンシャルタイムズが報じた。同社は2020年6月に会計不正事件を受けて破綻し、破綻の数ヶ月前から懸念が醸成されていたこが明らかとなった。

コメルツバンクが昨年1月にBaFinに提示した厳しい評価は、この件に詳しい3人の関係者によると、同行が2019年初頭にワイヤーカードとの関係について開始した内部レビューの結果に基づいていたという。

フィナンシャル・タイムズ紙がワイヤーカードのアジア部門の会計操作疑惑を報じた後、ドイツ第2位の銀行であるコメルツバンクはレビュープロセスを立ち上げ、その結論は、コメルツバンクが2019年後半に決済グループとの取引関係を断ち切ることに着手するよう促した、とFT紙に関係者は述べている

Wirecardへの銀行団の1つであるコメルツバンクは、同社が6月に欧州最大級の会計不正の1つで破綻した際、1億7500万ユーロの損失をだした。

今週行われたワイヤーカードの破局に関するドイツ議会の調査で、Wirecardがドイツ国内最大手銀行のいくつかから受けていた支援に対する正統性の調査のなかで、コメルツバンクが独自のレビューを実施し、BaFinに調査結果を報告したことが明らかになった。

FTによると木曜日には、コメルツバンクの元最高経営責任者であるマーティン・ツィルケ氏とドイツ銀行最高経営責任者クリスチャン・セウイング氏が証人として証言する予定だ。これらの銀行は、2015年にWirecardがグループに対する詐欺疑惑で言及されたインドの決済会社2社を買収する際に資金を提供していた。

この件に詳しい関係者によると、コメルツバンクが昨年1月14日の会議でBaFinに詳細なプレゼンテーションを行った際に、この取引におけるコメルツバンクの役割が開示されていたという。

コメルツバンクはまた、同社が国際送金を手掛けるワイヤーカード銀行(Wirecad Bank)の顧客による不審な取引についても規制当局に報告した。これを受けてBaFinは、コメルツバンクが提起した問題のほとんどをすでに認識していたため、「直ちに規制当局が行動を起こす理由はない」と結論付けた、とFT紙に関係者は語った。

コメルツバンクは2019年、いわゆるコルレス銀行だったワイヤーカード銀行との取引関係を放棄した。しかし、一方でコメルツバンクはワイヤーカードに17億5000万ユーロのリボルビング信用枠を提供していた15行のコンソーシアムの一部であり続けた。

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