企業不正に関するニュース : Corporate Fraud News

世界中の企業犯罪や非倫理的な行為を追いかけます

クレディ・スイス、不祥事だらけの1年に

クレディ・スイス、不祥事だらけの1年が不祥事続きだ。 2020年2月に失脚したティジャン・ティアムの後任CEOに就任したトーマス・ゴットスタイン。同社は企業スパイ・スキャンダル、「瑞幸咖啡(luckin coffee)」やワイヤーカードでの不正疑惑など、不祥事続き。そして最後にこのグリーンシル問題だ。

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Lucking Coffeeの共同主幹事

ティジャン・ティアムがまだCSのトップだった昨年の会議で語った。彼は、プライベートバンキングから株の販売まで、Lu氏との関係を称賛した。「彼は夢のような顧客だ 」と。IPOの際に共同主幹事を務めていたクレディ・スイスにとってそれは言葉通りの意味だった。しかし同社の不正会計問題がのちに発覚、同行はこの件について内部調査を行っており、中国企業への融資に対する監視の目は強まった。世界第2位の経済大国である中国は、アジアの富裕な企業家からビジネスを獲得するというクレディ・スイスの戦略にも影響を与える*1 。実際同社はオンライン医療サービス大手「微医集団(WeDoctor)」が計画しているIPOの関連業務から撤退し、シティグループがその代わりを務めることになった。Luckinは、急速な成長を追求するために脆弱な引受基準を放置した場合に起こりうることの縮図だ。Luckinは高成長、高リスクのビジネスの多くの兆候を示していた。こうした問題のある企業をクレディ・スイスは引き受けた責任は重い。

*1 ゴットステイン氏は、Luckinの株の暴落が戦略の転換を促すものではなく、銀行は引き続き中国の裕福な起業家をターゲットにしていくという。

ワイヤーカードの転換社債で顧客に大損

ソフトバンクグループがドイツの決済サービス大手・ワイヤーカードに出資した際に引き受けた転換社債(CB)を担保とする仕組み債を巡り、スイス金融大手のクレディ・スイスが仲介していた。ワイヤーカードは不正会計をへて倒産、ドイツの警察当局が本社と関係先の家宅捜索を行い経営陣の多くが起訴された。ソフトバンク転換社債による出資の直後にクレディ・スイスは、ソフトバンク保有する転換社債を裏付けにする9億ユーロ相当の新発債を投資家に横流し。実質的なリパッケージ債(仕組み債)で、この販売はソフトバンクグループに多額の利益をもたらした。これは仕組み債は著名投資家ウォーレン・バフェット氏が投資する際、自身の投資会社、バークシャー・ハザウェイにもたらすリスクを抑えるために活用した手法として有名だ。ワイヤーカードの破産を受けて、大きな損失を被ったのはクレディスイスからリパッケージ債を購入した顧客だ。

過去のクレディ・スイスの邪悪な社史

  1. 1980年以降のハンス・ヨルグ・ルドルフは、金儲けだけを目的としたダーウィン式マッチョ・ゴリラ・ゲリラ取引の文化を植え付け、金儲けのためなら汚い手口も許された。儲かればどんな汚い手を使ってもいいというもの。

  2. CSの前会長であるウォルター・キールホルツは、スイスで最も長いマネーロンダリング期間、DLJとの合併の失敗、米国と英国、スイスの内部抗争、終わりのない訴訟などを指揮した。 つい最近、彼はスイス再保険会社の会長を退任した。この男は、スイスにおける金融犯罪の最も長いリストの背後にいて、スイス経済において最も強力なパワーブローカーでありながら、スイスの体制に守られている。

  3. ウルス・ローナー:弱く、刺激がなく、過大な報酬を得ている無能な会長であり、混乱を継承し、それを解決するために何もしなかった。ヨーロッパの、そしておそらく世界の上場企業の会長の中で最も高い報酬を自分に支払うことにしか興味がない。10年遅れで、彼は5,000万ドル以上を手にして退任した。 年次報告書のメモを見て確認するとわかる。