【オピニオン】これ以上スタートアップ業界を甘やかすべきなのか？
大企業やそのCVCのスタートアップ投資に対する減税策を政府が検討しているという。現在の報道ではCVCのどこまでの範囲が減税の恩恵を受けられるかは不明であるものの、スタートアップの投資に積極的な大企業にとっては追い風だ。
このニュースをうけてスタートアップ業界では大きな歓迎の声があがった。しかしスタートアップ界隈、特にベンチャーキャピタルからはこの追い風にあきたらず、LP出資にたいしても減税すべきだという意見も目立つ。しかしLP出資は完全に企業の投資活動であり、オープンイノベーションなどを促進するといった減税すべき根拠は一切見当たらないはずだ。ファンドの資金環境を有利にするためのポジショントークにすぎない。ただでさえスタートアップ投資では金がだぶつきはじめている。WeWorkの例をあげるまでもなく高いバリュエーションが横行しており、ソフトバンクのような事業会社形VCが独立系VCを圧迫している点が問題視されている。こうした急激な資金のだぶつきはWeWorkのようなモラルハザードを引き起こす。今こそ一度立ち戻り、スタートアップ投資の過去の失敗を見返す時ではないだろうか？
